そろそろ35年目のシーズンインが始まる。
もし、私が独身だったら。
もし、家や家族を持たなければ。
高級な外車のオートバイを何台も所有し、エンジンの進化を味わい尽くし、最新技術の粋を極めることができただろうか。そんな思いが頭をよぎることがある。それは夢の世界の話なのか、それとも、もう一つの可能性として存在していた現実なのだろうか。
16歳の頃にオートバイに魅せられ、18歳からはレースや練習会に参加した。毎日スロットルを開け、フルブレーキングを試し、理想のセッティングを探し求める——それが私の青春だった。それから休憩したこともあるが35年以上続けていても、今でも、まだ知...