ずっと、してみたかったジムカーナコースでのデータ測定。AFR(空燃比)とアクセル開度、RPM(回転数)の測定です。場所はSRS愛知さんが開催しているジムカーナ自由練習会の練習コースです。
まずAFRの確認です。今回のCBR600RR’07のセッティングですが、ジムカーナなので静かな排気音でないとコース近隣の方に騒音のご迷惑をかけるためノーマルマフラー、パワーコマンダーもゼロマップ(補正なし)での測定です。そうそう相変わらず二次減速比はノーマルです。このコースは標準的な教習所のコースをしようしたもの。ある一定の指標になると思う
当たり前ですが、ノーマルが示すAFR=13辺りできれいにまとまっています。一速を多様する、アクセルも短期間に激しい回数の独特な開け方をするし、どのようになるのかと心配していましたが、いたって普通でした。
まずアクセル開度、見ると意外と開けていない。大抵が最大開度が20から30%の範囲でアクセルを開けています。そして回転数、最大でも4000rpmもいってない。まぁノーマルスプロケットだし、我がRRは国内なので逆車より3丁ほどロング設定。仕方がないですね。
しかし今は便利な世の中ですね。もし現役のときにこんなシステムが簡単に手に入っていたら、タイムの追求がもっともっとロジカルにできたでしょうね。二次減速比を変えていって、どのようにこの数値が変わるのか?タイム短縮との関係は?エンジンのレスポンスとトルク感の選択、自分が行いたいライディングに合わせてマシンを自由に作り変えられことができる。なんてすばらしいことでしょう。また人によってどのようにアクセルのかけ方が異なるのか?興味深々です。
緑の点線部分
さて話を元に戻して分析。まず緑の点線部分は特徴的ですね。アクセルを段階的に開けている部分。データの中に何箇所かある。これはアクセルを開けていくストレートに切り返しが間に入っているようなセクションです。アクセルを開けて加速します。途中に規制パインがある場合、開け続けては切り替えしができないけど、一瞬パーシャルにして切り返しをすることができるシーン。もしここで閉じてしまえば、フロントに加重することでができるので安定した接地を得る事ができて切り返しができる。でも閉じると絶対スピードも落ちてタイムが遅くなる。でも切り替えすに必要な最低限のフロントの接地だけで良いならば、パーシャルで十分。スピードと接地の両方のバランスを得られることができる。
これはシード選手であれば誰でも実践していること。こんな大切なことが、データを見れば一目で気がつけるなんて本当に楽だね。たとえば応用としては、この部分をつめるならば、アクセル開度に対してフロントの伸び側の設定を若干遅くして、フロントの伸び切るスピードを遅くする、その代わりパーシャルにする時間を短縮する。でも、そうすると伸びが遅くて細かいセクションではフロントの動きをスポイルしちゃうので、フロントは細かいセクションのタイムアップに合わせこんでおいて、ストレートはリアの縮み側を少し強くするとかね。いろいろとその調整方法がある。
これってすごいことだよね。低速セクションと高速セクション、狭いセクション、開け開けセクション、その攻め方に対するセッティングをトータルでタイムはどちらが早いのかを、確実にデータで選択できる。そうそう、スプリングのバネレートの変更をしたときだって、一目瞭然。どのセクションが悪くなっているのか、どのパターンが良くなっているのか?しっかりとデータで判断できる。
うーん。本気で戦いたくなってきたなぁ。だって、今まで悩んで悩んで悩んで感覚でセッティングしてきたことが、こんなに明確な結果としてデータを分析できるんだもの。俺でも勝てちゃうんじゃないか?正しく戦略に対して動く体さえ持っていれば・・・。
そうそう二十年昔はみんなこれをVTRで解析していたんだよ。ライバルとの比較でね。同じ位置からのVTRを比較して、そのマシン挙動やライディングの方法、なぜあの位置であの姿勢をとっているのだろう?なんてね。
ねぇねぇ、もしこのデータ分析を読んでいて、自分のマシンでも自腹で搭載して理論的にセッティングを出してシードを狙いたいとか、勝ちたいっていう人がいたら組んでみない?どこまで通用するのか?試してみたいなぁ。
赤の点線部分
最後にこの部分。これはパイロンスラローム。上の図の赤枠はストレートパイロンスラロームで、下はオフセットパイロンスラローム。ともに等ピッチで標準的なもの。アクセルの開け方で詰まっている、詰まっているから開けてしまう。など、手に取るようにデータから心が読める。いやぁ楽しいね。
あーっ、他のシード選手にこのマシンを載せてデータを取ってみたい。うむ、次回やってみよう