WBCの話題が連日TVで放映されていて、そもそも団体競技が苦手なライダーなのですが、やはり日本の旗を背負って戦う彼らにはカッコよさを覚えたりします。こんなところで代打に入ったら、すごいプレッシャーだろうなぁなんて見ていると、カウントツーストライクまで追い込まれたところで無事、ヒットを飛ばしたり。やっぱり彼らは野球のプロ選手の中から選ばれた人たちです。期待を裏切りませんね。野球に興味がない私をも感動させる力はWBCマジックとでも言いましょうか(笑)そんな中、名古屋の繁華街である栄の街を歩いていると、またまたカッコイイWBCのポスターを発見。スナップをパチリ。
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ライダーのラインメイクとは?
先日のテレビの特集を見てから森山大道という写真家が気になり、Webでいろいろなページを見ていると、路地裏当で写真を撮るときには、ファインダーを見る暇もなくシャッターを切る事があると話す。人と街は忙しく活動をしていて流れていく訳で、瞬間を切り取る必要があるということある。
そこであるインタビュワーが質問をした「ノーファインダーで撮影されることも多いかと思うのですが、フレーミングはどのようにしているのですか?」ファインダーを覗かなくとも写真は意図したように取れるのでしょうか?と聞いたのである。そこで彼は答えた。
「圧倒的にすれ違いざまのスナップが多いから、リコーの28mmなり21mmなりの、フレームを体が覚えていますからね。このくらいで入っているだろうと思ってほぼ間違いない。」と。体が会得してるとのことである。
ここでライダーの私はピンときたことがある。
これってバイクのコーナーに対する進入に似てない?サーキットや走り慣れた場所でないかぎり、バイクで峠を走るとき、そのコーナーにどんなラインで入ってどのように抜けるのか?初めて走るコースにはブラインドコーナーやら、実は入り口が狭いだけで出口は広かったりと、その進入スピードはいろいろと想定される。そんなとき頼りになるのが、速度間とコーナーの間合い。カメラマンがフレーミングを体が覚えていて自然とできるように、我々も自然と進入脱出を繰り返す。
カメラマンのフレーミングはライダーのラインメイクなのである。
またインタビュワーは「街中のスナップというのは流れていくようなイメージがあって・・・森山さんが、どんなタイミングでシャッターを切っているのか興味があります!」と質問をすると、森山さんは「まあ、動物的直感だよね。特に街頭のスナップの場合はフレーミングしたり構えたりしてる暇はないわけだし。やっぱり生理的な反応だよね。それと、長いこと街中で撮っているから五感や六感で気配を感じてね。」と回答した。
益々共感できる。我々ライダーも動物的直感、いわゆる経験に裏づけされた生理的な反応で走っているという表現をしても違和感がない。五感や六感で気配で対向車や、その先の状況を感じる部分なのかも、そっくりである。
以前から話しているカメラとバイクの共通感であるが、露出の調整って、バイクのギアチェンジに似ている気がする。狙った速度域に対して大きくずれる事なく選定しないとコケはしないけどマシンは失速して気持ちよく走ることができない。もしぴったりと合うギアを選択できたのならば、それは最大のスピードを得ることができるのである。
カメラの露出も同じで、その移せる感度の範囲ってのがあるから、映らないことはないのだけれど、見ている光の濃淡を上手く包括することができるためには、最適な露出の選択が必要な訳で、バイク乗りが気持ちよく走れるように、カメラマンは露出が決まると最高の絵を切り取ることができるのである。
両者、その許容範囲と最適化による喜びのロジックは非常に似ていて、かなり同じ楽しみだと言える。少なくともマシンとカメラを毎日持ち歩く自分にとっては同じ快感として伝わってくるのである。
そうだなぁ、じゃぁシャッタースピードの選択はブレーキングだな。車速を止めないで走り続けたい欲求と、画面の被写体を止めたくない欲求とは、同じではないだろうか?
なんとなく自分の写真に対する嗜好がスナップであることが分かった気がする。自分は写真をバイクのライディングのように撮りたいのである。
とりとめもなく綴る。本日も就寝。