2025年10月18日一覧

音質のある生活

冬眠していたオーディオを起こす朝

スケジュール通りに動きすぎているな、とふと感じる。
「好きなことしかしない生活」になっても、やっぱり週末くらいは休日にしたくなる。
人間には、何も考えずに“チル”に生きる時間が必要だ。

今、目の前にあるのは久しぶりに電源を入れたオーディオ。
写真のこのリビング
朝の光がロールカーテンを透かして、淡く差し込む。
その中で、長く眠っていたシステムがゆっくりと目を覚ます。

電源を入れた瞬間、モニターが光り、スピーカーが「ボッ」と息を吹き返す。
まるで冬眠していたロボットが再起動するような瞬間。
この“少しの手間とドキドキ感”こそ、アナログの醍醐味だと思う。

音が流れ出す。
「ああ、やっぱりクリアでニュートラル」。
MacBook Airのスピーカーも素晴らしいけれど、
やはり大きな径のスピーカーが作り出す空気の揺らぎには敵わない。
音圧が自然に耳に届き、低音が床を伝って身体に響く。
やっぱり音は“大きいスピーカーのほうがいい”。

このオーディオセットは、決して高級ではない。
メインのスピーカー以外は、ハードオフで拾ってきた安価な中古たち。
でも、組み合わせてマイクで音を整えると、不思議と“いい音”になる。
たぶん、完璧じゃないからこそ、愛着が湧くんだと思う。

思えば、自分のオーディオ好きは中学生の頃の影響かもしれない。
父が80年代のオーディオブームに乗って、一つひとつ選んだ機材を並べていた。
10インチのスピーカーから流れるレコードの音に包まれて過ごした時間が、
きっと今も耳の奥に残っている。

今日はその記憶に少しだけ浸りながら、久しぶりに低音を響かせてみよう。
部屋に、音が満ちる。
そして静かに、またひとつの“休日”が始まる。