SetupとRiding一覧

フロントのプリロード(その1)

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昔、走りこんでいた時はフルアジャストできる調整機能か欲しくてたまらなかったのに、今はフルアジャスト出来るのに、何ヶ月も使わずに掘っておき、必要でなかったなんて、人生とはそういうものか?と・・・反省しつつ、実際使い始めると歳を重ねてフルアジャストマシンを手に入れられる境遇と自分の努力に感謝感謝である。
今回は憧れのフロントフルアジャスト機能を使い倒して見たいと思います。今の私はセッティングの感覚が、すっかり体から抜け落ちているので、再度、ゼロから手法を構築出来ます。本ブログの一つの大きなテーマであるライティング本の執筆には好都合。休んでいたことも前向きにつながる。しかしいろいろな挙動を文章にすると難しい。頭では分かっているのに文章にすると矛盾だらけ。いやぁ苦労した。・・・と前書きが長くなりましたが、今回はフロントのプリロードに関する整理整頓です。

プリロード
まずは先日の練習で感じたプリロードによる効果を列挙すると・・・
1.チャタリングの収束
2.ステアレスポンスの変化
3.前後ディメンション変化による荷重変化
細かく分けると、3a.フロントタイヤへの荷重と3b.リアタイヤへの荷重。手にとるようにライダーとして感じた分かりやすい挙動は、このくらいかな。まずは挙動がどのような場所(コース)で、どんなことが発生したかを綴る前にサスの構造的な変化から見た物理的なセオリーから考えましょう。
サスの構造的な車高の変化
・プリロードを掛けると、スプリングを縮めることになり、緩めると伸びる。
・プリロードを掛けると、同じ力を加えたときにストロークは抑えられることとなる。
・1Gを測定するとプリロードを掛けたときのほうがフロントの車高は高くなる。
・その逆で、プリロードを緩めると同じ力を加えたときにストロークは大きくなり
・1Gを測定するとプリロードを緩めたときのほうがフロントの車高は低くなる。
・すなわちプリロードは1Gと1G’の基本設定に影響する。
逆に言えば1Gと1G’の基本設定はプリロードで変更ができる。
※本来は、ここで大切なのは縮めるとバネは硬くなるのではなく縮み始める荷重位置が異なるということ。
※バネのレートとプリロードの関係を話さなければ、ならないのだけれと、それはあえてバネレートの変更編で説明をする。今は純粋に変化を結果論として理解する。)
またスプリングが持つ機能はブレーキ(フロント、リア、エンジン、人間の移動)を掛けたときにマシンとライダーの重量が持つエネルギー(停止するときに前に進もうとする力)を吸収するダンパーとしての機能。
またエネルギーがなくなったときに、元の位置に戻ろうとする反力、戻す機能がある。
よってプリロードを掛けると、上記のように同じ減速が掛かると沈み込み始めるタイミングがかわり遅くなる。
緩めると逆に早く沈み始めることなる。
このバネの動きが全ての挙動をひもとく鍵となります。
ここで、ようやくライダーが感じる挙動。
いわゆる1.チャタリングの収束、2.ステアレスポンスの変化、3.前後ディメンション変化による荷重変化の話が出来るようになる。
ということで後編に続く。


ディメンションとデータ

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メモの意味について説明する為には何回も書いているけど、下記の説明が必要です。再度まとめます。でも今回はアスキーアートを使用して更に理解力アップです(笑)まずは図の説明
倒立のフロントフォークの場合

│ │

│ │← アウターチューブ

│ │

├─┤─B

│ │↑

│ ││稼動する範囲

│ │↓インナーチューブ

├─┤─A ←ココを基準としてAとBの間の

│○│   距離をメジャーで測ります。

└─┘

↑ホイールを止めているシャフト

そうすると下記のように4つのデータが取得できます。

0G    1G 1G' FS

│ │ │ │ │ │ │ │

│ │ │ │ │ │ │ │

├─┤─│ │ │ │ │ │  ←0G フォークを完全に伸ばした位置

│ │↑├─┤─│ │ │ │  ←1G 自重で縮んだ位置

│ │ │ │↑├─┤─│ │  ←1G'ライダーが乗車して縮んだ位置

│ │ │ │ │ │↑├─┤─ ←FS 走ったときに沈んだ最深位置

├─┤─├─┤─├─┤─├─┤─ ←ココを基準とする。

│○│ │○│ │○│ │○│

└─┘ └─┘ └─┘ └─┘

具体的な測定方法を説明すると
0G
スタンドを掛けてスタンドを軸にハンドルを下から上に持ち上げるとフロントが浮いてきて、今まで沈んだインナー部分が全て見えてきます。フロントタイヤが完全に地面から離れると、サスは伸びきりの状態となります。その伸びきったときの長さを測ります。測る位置は図を参照。ここがサスの伸びきり位置です。測るときは定規やメジャーで測ります。自分の場合は巻金尺の爪をシャフトの貫通穴に引っ掛けて測定しています。一人で測定できるので便利です。
1G
ハンドルを持ってスタンドを外してバイクを立たせたときの状態を言います。自重でサスが短くなります。ハンドルからはサスが縮む方向に力を加えないこと。このときに測った数値を言います。測る位置は0Gで同じです。
1G’
スタンドを外してライダーが跨ってバイク立たせたときの状態を言います。できるだけ通常のポジションに乗って下さい。本来はハンドルを握ってライダーの体重が前後サスに加わる量を適正に分散させたいのですが、一人だと測定できないのであきらめて片手は外して測定します(笑)誰かがいるときは測ってもらうのが良いです。でも作業時は毎回他の人がいるわけではないので自分で測定。ぶっちゃけハンドルからかかる重量による相違は少ないでしょう。いつもに比べてどうなのか?が判断できれば良いので、大切なのは再現性です。本方式でがんばります。
FS
FSはフルストロークの意味。走っているときにどれだけフォークが沈むのかを意味します。計り方の一つはゴムやタイラップをインナーチューブに巻きつけて(グリス等を塗布すると良いでしょう)、走る前にその輪をアウターチューブに寄せておきコースイン。走り終わると、そのときのコースで一番サスが沈み込んだ位置に巻きつけた輪の位置が下がっています。その輪の位置を測ると、最大のストローク量が分かるのです。
というようにして計ったのが
F > 0G:138mm,1G:110mm,1G’:105mm, FS =45mm
F > 0G – 1G = 28mm,1G – 1G’ = 5mm | 1G-FS = 65mm | 1G’-FS = 60mm
この値です。図で言えばこんな感じ。


0G    1G 1G' FS

│ │ │ │ │ │ │ │

│ │ │ │ │ │ │ │

├─┤─│ │ │ │ │ │  ←0G 138mm (0G-FS = △93mm)

│ │↑├─┤─│ │ │ │  ←1G 110mm (0G - 1G = △28mm)

│ │ │ │↑├─┤─│ │  ←1G'105mm (1G - 1G' = △5mm)

│ │ │ │ │ │↑├─┤─ ←FS 45mm (1G-FS = △65mm)

├─┤─├─┤─├─┤─├─┤─

│○│ │○│ │○│ │○│

└─┘ └─┘ └─┘ └─┘

いわゆる、このサスはフルストロークで93mmも動くことになります。実際の走行では1G-FSが動作の基準となるので65mmも動いていることになります。というように数値を読みます。リアサスもしかり。
あとディメンションとして自分のマシンを知っておかなければ(抑えなければ)いけないのが、フロントフォークの突き出し量とリアの車高調整による全長の変化、また変わるのはタイヤの銘柄やプロファイルによる姿勢の変化です。ここまで数値を知っておけば、後はその数値の変化がどのような挙動になるのかを紐解けばよい分けです。ということで、次回の練習では後者の採っていない寸法(フォークの突き出し量とリアの車高調整、地上高さ)を調べることにしましょう。
と・・・ブログを読むときの基礎ができたということで、次回のブログの記事は元に戻って、練習で設定を変えたときにどのような挙動としてライダーは感じて、どの位置に調整をしたのかをお送りします。いわゆる①フロントサスペンションのセッティングと②回転と極小旋回の練習を通して実践をお送りします。