動画を撮るために走っているのか、走っているので撮影ができて動画が作れるのか、鶏と卵の関係であるけれど、結果、スプロケは減り、チェーンは伸びて、タイヤは3500kmでツルツルになり、ブレーキパッドは残り1mmとなり、エンジンオイルのペール缶とブレーキフルードの缶が空になる。走っては再生活動をして、維持しては走って消耗を繰り返す。
でもこのサイクルに生産性がないかというとそうではない。確実にライディングが上手くなっている。ひとときバイクから離れて戻った時には、最初はウインカーを出すのがぎこちなかったのに、今は無意識にもできる。伊達に18歳からレースをしてきたわけではない。走れば走るほどに、バンクのレスポンスが上がり、コーナーは確実にスムーズであり、ストレートはアベレージが上がっている。また同じところを繰り返し繰り返し走ることで、路面の段差やつなぎを170kmの工程全て覚えている。
マシンも進化している。経年劣化の速度とサスがプアなのは変えることはできないが、吸排気は確実にあたりまえがあたりまえにできるように進化している。アクセルを開ける時のレスポンスは更に軽やかに、コーナー前のエンジンブレーキはスリッパークラッチが不要なほどに滑らかに、シフトダウンのリアタイヤへの影響が極限まで抑えられている。吸気と排気の物理的なチューニングとはこんなにも変えることができるのかと、今更ながら感激している。時代だな。排気はパイプの形状やマフラー様々な物理的変更をしての結果だけど、燃料をインジェンションにより最適化することで、こんなにもマシンが当たり前にして欲しい挙動を示してくれている。同じPC40の初期モデルに乗っている人はびっくりすると思う。別次元のフィーリングが達成できた。マジで乗ってて楽しい。
話は逸れるが、友人が言っていた、同じバイクを新車でくれたら交換するかという、飲んだ席での話。「変えないね、今よりもパワーがあり、新品になったとしても、今まで施してきた自分好みの追求を再度するのはゲンナリする。」と語っていた。確かに、、、彼のマシンのように私のマシンはフルチューンではないけれど、私の国内仕様というある意味、今となっては珍しい仕様をココまでに仕上げるには、お金だけではない、カットトライの日々、膨大な工程が必要となる。
続く