WidebandCommander #9

 さてなかなか答えがでないセッティング。当たり前な気がするけど、ようやくわかってきたこと。それは走るときの負荷によって同じ回転数や同じアクセル開度でもAFRの出方が違う!!!そればかりかアクセルは閉じると薄く、開けると濃くなってしまう。再現性を良くとろうとすると一定の負荷で計測時間に対して同じアクセルの開け方が必要。設定データの基盤を作るときはシャーシダイナモが欲しくなります。時間貸しとかしてくれるシャーシダイナモ屋さんがないかなぁ、なんてつぶやいてみたりする。
 でも走るたびにデータを収集すると見えてくることもある。
データ1

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まずアクセルムラであっという間にAFRが1変わる。
AFR値を確認すると如実にラフなアクセルワークに対して変動していることが分る。
そもそも待ち乗りでGOandSTOPしているときのデータはアクセルオフの影響があるので参考にしかならない。
データ2

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でもダイナモを使わなくても上手くデータを処理するとAFRの濃い薄いが見えてくることが分った。
たとえば二つのデータのように回転数をY軸にアクセル開度をX軸にして対数表記させてみると、アクセルの開度0~10%かつ2000~5000rpmに対して共通してAFR=11まで濃くなる部分があることが明確となる。

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そこでマップを見てみると原因はコレ。今使っているマップはアクセル開度~10%で~5000rpmが極端に濃い設定となっているのである。ここを減らすことでAFRを12~13に落ち着かせることができると考えられる。
ようやくある程度は燃料調整の方法が見えてきた。でも、めちゃ遠い作業である。また今回のようにある部分のエリアが濃くなっているというのは分るけれど、微細な変動については前述の通りに負荷が一定でないので捕らえきれない。
うむ、ちょっと作戦を変更してみよう。


WidebandCommander #8

 今回はCBR600RR’07のゼロマップとオリジナルのマップの比較をしてみることに。まずはテストして分ったこと。ワイドバンドコマンダーは計測中にキーをオフして電源供給を止めると、計測していたデータが消える!つい停止したらエンジンを止めちゃう癖で二回も貴重なデータを失いました。注意しないといけません。計測終了後に内部の不揮発メモリに書き込む仕様なのですね。次に回転数のノイズについて前回はスムージングを10で計測しましたが、安定していません。スパイクノイズも拾い捲りでイマイチ。10~30を試した結果、30がよさそうなので今回は30で測定しました。
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まずは私のオリジナルのマップです。体感では下からずば抜けたトルクと常用回転数のトルクが体感できる使用です。感で作った感性仕様(笑)
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測定すると前回のデータより凸凹がなく綺麗に取得できていることが分ります。AFRは11.5~13程度と濃い目の仕様です。
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そしてこれがマップをZEROMAPいわゆる補正なしで測定したもの。
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データを見ると如実に分ります。AFRは12.5~14と確実に1程度、薄い値がでています。なるほど走って自分が体感しているトルクの出方の差はAFRで1の違いなんですね。これだけ体感に差があると楽しいし止められないのですが、Webで見るとみんな13程度でセッティングしてあります。11.5というのが危険な状態なのか?注意していれば使っても良い領域なのか?判断が付かないところです。
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私のオリジナルのマップから1回ぶんのアクセルオンを切り抜いたデータがこれです。
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続いてゼロマップから切り取りました。
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なるほど見えてきました。確実に空燃比AFRは1程度の違いがあります。また私が感じているトルク感の違いが数値で読み取れました。ジムカーナをしている私は低回転のギクシャクとトルクをなくす為に低回転領域を補っています。よって低回転側が濃い。また私が常用している5000rpm~9000rpmはノーマルだと薄くしてあるのに対して私のマップは濃く味付けをしています。これだけ意図的に味付けがしあるからこそドラマスティクなフィーリングを得られていたのかもしれません。ただし、パワーがでているのか?レスポンスはどうなのか?などは分りません。味付け=気持ちよさに対してパワーは?という関係付けは最後の最後にシャーシダイナモに掛けて解析することにしましょう。
ようやくデータが綺麗に取得できるようにワイドバンドコマンダーのセッティングが終わったので、次はパワーコマンダーのマップ変化に対するAFR変化の関係性と追従性について追求していきたいと思います。