数学という名のツール

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 今日は朝から雨。最近は暖かくなっていたのに、ちょっびり冷えた空気が顔をだす。本当はCBR600RR’07に乗って写真を撮りにでかけたかったのですが、雨で汚すのが嫌なので、またまた午前中だけ図書館で勉強をしてきました。専門書を読んでいると、数式と数式の間の導き方が省略している部分が多数あるのに気がつきます。まぁ、最初の基本式と式を解いて変形した必要なパラメータを有す(式)さえあれば、ぶっちゃけ事足りるのですが、その途中経過を知っていると知らないのでは、応用性が違うのですよ。これをバイクに置き換えて考えてみると・・・。
 専門知識を有する課題を証明する為には微分、積分、三角関数、代数幾何と様々な数式の法則が必要で、それらツールがないと、万物の法則がロジカルにつながっていることを説明することができない。光は輝いて見えるという現象で言えば、別になんてことなく光が強いときはより輝いて見えると簡単な結論で十分なのだけれど、その途中には空気という層を通って、目に映し出されるところまでを証明しようとすると、それらツールという数式が必要となる。そのツールを持っていないと、その奥深い部分に到達することができないというジレンマに駆られるのである。
 そんなことを考えながら、勉強を進めていると、この話はバイクのセッティングに似ているなと思った。専門ツールがあれば、サスペンションも全バラにできるので、全ての箇所を調整ができるけれど、専用ツールを持ち合わせていないと、オイル交換すらできない。ただ、誰でもがさわれるアジャスターを変えられるだけだったりする。そもそもバネやシム一つ取り替えられないのである。深い部分に到達ができないのである。
 サスのセッティングというのは、マシンを速く走らせるための必要条件であるが、それよりも大切なのは挙動を変更することで、新しい感覚とタイミングを得ることができ、凝り固まった自らのライディングを成長させるという重要な役割がある。新しいバランスを作り出すことで、自らの新しい道が開けるのである。
 そのとき側面からの設定、すなわちアジャスト部分だけでは限界があり、サスの構造を変えることができる専門のツールを使わないと変えることできない部分を変更することによって、大きな違いを作り出すことができる。可能であるならば全ての機能を調整して新しい感覚を得ることが寛容となる。
 実は研究開発という仕事や技術にも同じことが言えて、アジャスターのような過去先人達が作ってくれた定理だけを結果論として使用しても十分に発明をすることができる。でも、専門のツールである高等な数学を理解することができれば、自分の凝り固まった考えを打破してくれる鍵となるに違いない。まさにサスのセッティングの苦労と当てはまるのである。
 やはり専門書の途中経過の式は全て自らで解ける力がないといけないのかなぁ・・・。
 でもね、サスを全バラしなくとも、市販のサスペンションで勝負できないかというと、そんなわけではなくもちろん勝つことは可能であるし。サスの設定だけが速さの要素を作っているわけでもない。できれば有効だというだけである。
 どんなに高級なサスでも無段階調整の機構より、多段機構の方が迷わずに正しい感覚を養えるという考え方もあるし。自由自在に、例えばシムまで変えてしまっては、どんな優秀なライダーでも正しい方向性を見失う可能性は高い。もしシムまでやるならば、その道の経験を持った人と組んでやるのが妥当だろう。
 たぶん自分の研究も、そうなのかなぁと思う。難しい式を全て自分で解を出して証明することができれば、考えの方向性という視点を大きく変えることができるかもしれないけれど、迷ってしまう可能性もある。また、そこまで解けてしまうと定理にとらわれてしまうかもしれない。
 ここは一つ。数式と数式の間の導き方が省略している部分は、あえて証明していないということは忘れないことを前提に、そのまま受け止めて定理の結論式だけを受け止めてみよう。大切なのは、いつでもその足りない部分に気がつけることである。そして研究というレースを戦う為に必要なセッティング=数式以外のライディングという、他の主側面を見つけることが大切である。
 ・・・と。とりとめもないことを考えながら、本日の勉強も終了。三時間のサーキット走行的勉強である(笑)


初めてグリップを握った日

スナップのタイトルは「彼が始めてグリップを握った日」
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 先週、公園で息子達と遊んでいると、数ヶ月前から歩き出した一歳二ヶ月の次男が兄貴の自転車に興味を持ち始めた。長男がいるときは、触っちゃ駄目と邪魔されるので、なかなか自由にできないのだが、いないときを狙って一生懸命遊びだす。ふと彼にカメラを向けると、誰も教えていないのに、彼はグリップを両手で握った。まるでアクセルでも絞るように。そう、この瞬間が彼が始めてグリップを握った日である。
 彼は初めて二輪のグリップを握った。まだ一歳とちょっとだよ。凄いよねっていうか、うらやましいね。乗る真似なんだろうけど、一歳から自転車に跨っているなんて理想的。長男は三歳で自由に自転車が乗れるようになったけど、彼は二歳で乗れるようになるに違いない。大人がグリップを両手で握ることを教えると時間が掛かるのに、子供同士で真似るのは瞬間にマスターするみたいです。弟というのは、自分の歳をはるかに越える兄を見て真似ているから、要領が良くて覚えも早い。人とは人を見て学び応用するものなのかもしれません。
 また、そろそろ電動トライクは卒業の兄。遅くて詰まらないみたいである。そして体重増加にモーターが容量不足であるらしい。そうだな次は電動ポケバイを乗らせてみたいと思う。そうしたら、長男は三歳で補助輪卒業で、次男は一歳でトライクデビューだな。一歳や三歳でアクセルを開けられるなんて、本当にうらやましいものである。
 そろそろ電動バイク選びをしようと思う。 (ふっふっふっ) もしかして大人も乗れるかも(笑)