WidebandCommander #11

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 まずはセッティングの方向性を変える。もともと公道走行やランダムコースのジムカーナで走ることを目的としているので、走行条件がランダムに変わる。バラつきのないAFR値を出せるようなPower Commanderのインジェクションを作るのは中止。狙うは自分のライディングスタイルにあったメリハリ。マシンが壊れない範囲で自分にあったトルク感を作り上げる。イメージ的には今流行のモードみたいな感覚。あの何個かあるモードをひとつ選ぶみたいな、それももっと自分の好みの味付けにすること。
ということでさっそく基本マップを作ってみた。
このマップは今までのAに対してBシリーズと名づけよう。

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 アクセル開度に対する回転数の付いてきかたを確認するとアクセル開度に対して直線的に回転数があがるのではなく、指数関数的に上昇する。信号で気持ちよくアクセルを開ける程度のスロットル開度コントロールに対する回転数の上昇記録して中心とする。そのシチュエーションが最もリッチとなるようにする。
 次にもっと緩やかに開ける場合を想定して、スロットル開度が小さいのに回転数が高いときは少し補正量を抑える。またもっとシャカリキに開ける場合、スロットルを開けるスピードが速いときは濃くなり過ぎるため、この場合もまた薄くする。そうするとこのようなマップになる。真ん中のラインが一番濃くて、両サイドは若干の補正とする。最後に高回転域も薄めにしておいた。理由はなんとなく。少し薄いほうがレスポンスが良い感じでがしたから、感覚との差異は追々データで確かめていく。
ちなみに前回判明していた、もともと濃すぎた部分はちゃんと薄くしてある。

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ピンクの枠が実用開度。赤い線が濃かったマップA、必要な開度に対してちゃんと補正値を下げてある。


WidebandCommander #10

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 ここまでのまとめ。クローズしたサーキットコースを自分のベストラップで走しり続けるとミスを除いて再現性ある時間と回転数とアクセル開度とAFRが記録できる。このデータを使えば自分のライディングを適度に補うことが可能なことが分った。繰り返し同じコースなら妥協点も見つけやすく、またライディングの下手さも少々リカバリーできる。
 そんなことで走っては録る。走っては録る。走るたびにパワーコマンダーのインジェクションマップは任意の仕様となるのだけれど、だんだん詰まらなくなってきた。ただセッティングをするために走るのは詰まらない。レースに参戦していないのでなぜかむなしい。基本的には速さを求めているのではないのだから、自由にマシンを操ってこそバイクは面白いはず。タイムを出すため、マシンが最大限に動くためのライディングはナンセンス、自分はタイムとセッティンに支配をされている。レースで勝ちを狙わないのにセッティングをしていると自分は何でバイクにのっているの?と疑問に陥る。
 もしこれがレースに勝つためのものであるならば、ひたすら努力しても実るものがあるけれど、レースに参戦していない今、マシンが良くなろうともその差は微量であまり意味を成していない。空燃比が若干ずれていようが基本的にマシンが壊れない範囲でかつ気持ちさえよかったらそれでいいのではないか?
 トルクを出したいところを、チョイっと足して、レスポンスが悪いところをチョイっと下げてみる。その程度、いいのではないか?うん、ちょっと方向性を変えよう。