2008年05月22日一覧

その気持ちPriceless 後編

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 結婚する前は、無限のフレームに新車のYZFのエンジンを搭載して、使用するパーツは全てワンオフ。なーんてサラリーマンとして、やっちゃいけない領域で満足感を得ていた自分。でもサラリーマンって100万円程度あれば生活自体は維持できるので、トヨタのアルファードが買える金額を毎年つぎ込むなんてことは楽々できます。精進すれば。でも、それは独身の話。今はスプロケット1個交換するのに半年悩んでいる自分(笑)そんな生活を結婚と出産を機に改めた生活。そりゃそうさ、やはり将来とか人生のアクシデントとかに備えて貯蓄も財産運用も必要だからね。年間126日(会社の休日)全てを使って走った自分が、年間0日の練習量に減らしても、家族と遊べば楽しいことにも気が付けたし、その方向性の変更は良い選択でした。それから数年、長男が生まれ、次男も生まれた。
ここでパパは考えた。
 自分が彼らに与える手間は無償の愛なので、彼らに望むものは何もないけれど、彼らに自分は何をしてあげられるのか?安定的な生活の義務とか、裕福な暮らしとか、そんな物質的なものではなくて、男として一生きていくために何が必要か?自分は成人するまでの子育てという期間に何を彼らに授けてあげられるのだろう?
子供にできることとは何か?
 話変わって私の父も普通のサラリーマン。但し、公的基金の融資を担当していたので、それはテレビで暴露されているような接待とリベート(お中元やお歳暮)が多々あって、ちょっと裕福だったのかもしれない。でも彼(父)はその接待を全てゴルフで請求。そのかいあってか、そう私の父はゴルフのシングルプレーヤー。その活動はすごい。毎週ゴルフ。そして彼は朝は4時起きで出社まえにゴルフの練習。夜は体力つけるために30分歩いて帰宅。土日見るテレビはゴルフ大会の中継。そこまですればシングルプレーヤーも可能かも。そんな彼の自慢は壁一面にあったトロフィーの数々。所詮、アマチュアなので草大会だけど、されど大会。レース活動をしていた人は分かると思うけれど、どんな大会でも優勝するというのは、すごいこと。尊敬に値する。
父から学んだことは、物事に取り組むストイックな姿勢。
 おっ誰かに似ている。あっ自分か・・・。競技の内容は違えど、年間126日活動していた自分とクロスする。会社の通勤を歩いて体力作ろうなんて発想もうり二つ。自分のルーツ no Race no lifeは彼の背中にあったに違いない。私は彼から、どのようにして勝つのか?取り組むと良いのか?そんなことは一度も言葉として聞いたこともないし聞かされたこともない。でも知らず知らず彼から「継続は力なり。勝つためには日々の活動が大切」ということを学んでいたのかもしれない。今考えると高度経済成長の時代、夜中まで仕事をしていたサラリーマンの父が十数年以上、毎朝4時に起きて練習することは、たやすくなかったに違いない。でも、その努力の姿勢は、語らずとも、長男の自分に引き継がれたと思われる。
父から学んだことを息子に伝えたい。
 話戻って、自分が彼らに授けてあげられること。それはレースを継続する姿。どんな状況にあっても好きなことを継続する大切さ。自分はそれを見せてあげたい思った。自分がなぜダブルチャンピオンを取れたのか?なぜシード選手になれたのか?その答えを、レースを継続する背中から感じて欲しいと思った。少なくとも走り続けることの負担は子供と家庭に対してある。そんな負担を強いてまで伝える必要性に対する疑問。それが正しいのか?それは分からないけれど、自分はそれを貫いてみようと思う。父から学んだことは、自分の人生を彩る上で、すごく役に立ったから。ということで。レースを継続する姿を通じて息子たちに努力する楽しさと、その結果得られる勝利という楽しさを伝えたい。
その気持ちPriceless。