「ねえ、今日はどこ走ってたの?」
電話の向こうから、柔らかな声が響く。彼女はバイクには乗らないけれど、私がバイクについて語るのを楽しんでくれている。そんな彼女の声を聞くと、不思議と今日の感触を言葉にしたくなる。
「今日は新しい排気セッティングを試してみたんだ。排気抵抗の少ないエキパイに、純正のマフラーを合わせたんだよ。」
「ふーん、それってどんな感じなの?」
「シルクみたいなエンジンの鼓動、って感じかな。静かだけど、無駄な雑音がなくて、スムーズに回る。まるでバイクが上品になったみたいなんだ。」
彼女はしばらく黙っていた。電話越しに小さな吐息が聞こえる。
「...