CBR600RR 07一覧

ライディング理論とは?その3

IMG_1916.jpg
 「ライディング理論とは?」の3話目。暇があれば頭の中でぐるぐるとエアライディング(笑)をしながら考えてみたけれど、思いついたロジック達は自分のイメージの中で、確証性が薄く、なかなか文章にできなかった。
 今回、綴るものも、やはり無理やり感がある。でもこのままほっといたら、いつものように自分自身のレース活動で矛盾と疑問を抱えたままのセッティングとなるので、まずは今思い付く限りのロジックを文章として表現することにしました。
 前置きは置いといて、いくつか存在するセッティングによって感じる感覚と物理的定理のすれ違いについて溝を埋めてみる。好きな人は読んで見てくださいね。
まずは復習から
ライディング理論とは?
http://mcandsmile.blog.so-net.ne.jp/2008-10-03
ライディング理論とは?その2
http://mcandsmile.blog.so-net.ne.jp/2008-10-04
今回、考える問題点
>1)ハンドルの切れるスピードとキャスター角
>
> プリロードの調整について説明したときを思い出して欲しい。プリロードによって
>フロントの車高が変わって、ディメンションが変わる。プリロードを締めていくとフ
>ロントのトップブリッジは高い位置になり、キャスターアングルは寝ていくこととな
>る。トレール量が多くなるということは、本来フロントタイヤは直進性が増し、穏や
>かにきれるようになる為、ハンドルの切れるスピードそのものがセッティング変更前
>に比べて、ゆっくりと進むようになるはずである。
> でも違うんです。自分にはフロントの位置を上げるとハンドルの切れるスピードが
>上がっているように感じるのです。それはなぜなのでしょうか?説明を付けたいと思
>います。
 まず、今まで綴った定理を復習してみる。。
 旋回性を増す為にはキャスタートレールを減らす、すなわちフロントフォークを立てれば良い。キャスターアングルを減らすことで、フロントホイールを真っ直ぐにしようとする力は減少する。
 ということは旋回性を増す為には、同じ荷重で、同じスピードで、同じラインで、パイロンに進入する場合、キャスターは立てた方が有利なのでしょうか?
 答えはYES。
 定理的に見ても、それは正しい。全てが同じ条件であるならぱ、確実にフロントホイールを真っ直ぐにしようとする力を減らせるので、旋回しやすくなるはずである。すなわちハンドルを切るスピードも短縮される。短時間でパイロンへ近寄れるようになる効果となるはずである。。
 でも本当に?そのように感じますか?
 繰り返し説明して置いて悪いのだけれど自分は、先述のようにフロントフォークを立てて、キャスタートレールの設定を少なくするだけでは、短時間でコンパクトに曲がれるようになったと感じないし、ステリングが切れるスピードが向上したと感じません。
 みなさんもそう感じないですか?
 その原因について考えてみた。結論から言うと、その1つの答えは「キャスタートレールを変更すると、ディメンションの変化(前後の高低差)が発生する為、前後の荷重バランスに変化が生じる為」と考える。
 キャスタートレールを減らすことで直進する力の成分を減らしても、プリロードや突き出しだけでは、その分フロントの車高が低くなるのでフロントヘビーになり、重量が増してしまう。
 フロントホイールを真っ直ぐにしようとする力は、車重や前に進もうとするバイクのエネルギーがフロントフォークとタイヤを経由して、路面に押し付けようとする力によって増減するので、せっかくキャスタートレールを減らして軽減した直進性が増加してしまうのである。
すなわち、「キャスターを立てた直進性の軽減」と「フロントヘビーになったことによる直進性の増加」のどちらが勝っているのか?で考えなければならない。
 ロードレースのような速度によるエネルギーが、前後のディメンションの荷重の変化より、比較できないくらいにエネルギーが大きいときは、キャスターは立てた方が有利となる。
 しかしジムカーナのパイロンワークのような速度によるエネルギーが小さい場合は、キャスタートレールを減らすことによる旋回性の増加より、ディメンションの変化による影響が大きいのである。
 よって市販されてるライディングテクニックの本の話は、低速なジムカーナレースでは、セオリーが通用しないのであると思う。
 やってみて下さい。
 フロントの突き出し量を15mm程度(できないときは最大に)突き出して(トップブリッジより多く出す)キャスタートレールが減らして見てみる。いつものように8の字をすると、定理的にはフロントを直進させる力が減って、旋回させる力が改善されているはずなのに、ゆっくりと切れていきます。
 それは先述の「同じ荷重かつ同じスピード、同じラインで、パイロンに進入する」ができずに、「キャスターを立てた直進性の軽減」より「フロントヘビーになったことによる直進性の増加」が発生したという定理に基づいた現象であると考えられます。
 では、どうすれば旋回性を高められるのか?
 今よりクイックに旋回したいなら、まずはフロントフォークとフレームの取り付け角度を同じ荷重バランスのままで、立てるように改造して下さい。そりゃ理想的ですが、無理というものですね。
 では、どうすれば旋回性を高められるのか?
 フロントのプリロードを掛けて、フロントから荷重を抜く。結果論ですがキャスタートレールを寝かせです(笑)
 ジムカーナのパイロンワークなどではフロントの旋回性を増す場合は、ロードレース等のライディングマニュアルとは異なるということになります。たぶんね(笑)
 見えた原因をまとめると、サスペンションのセッティングでキャスタートレールを減らして直進性を減らすという行為は、バイクの車重がフロントフォークとタイヤを経由して直進性を増すエネルギーとしても使用されている。だからライディングの一般論である定理を信じてフロントを立てても、パイロンをスムーズに旋回しないのです。
 ジムカーナのパイロンワークには、フロントフォークからタイヤを経由して路面に伝わる力自体を減らす方が、キャスタートレール量を減らすより、大きな効果があるという結論でした。
 あっているのか?間違っているのか?分かりません。
 でも自分が長年抱えていた感覚と一般的なセオリーのギャップが今回まとめて見たことで、かなり埋まったような気がします。少々定理が間違っていようが、自分がマシンの挙動から感じる感覚と、設定方法の指針が、ビシッと一つの線に繋がったことは事実。明日からのセッティングはいっそう迷いがなく楽しいものとなりそうです。
 ぜひ試して見て欲しい。プリロードを全部掛けてパイロンを回ってみる。そして全部抜いて回ってみる。そのときのパイロンワークで体感するステアリングスピード。あなたは自分が組み立てているライディング理論と体感があっていますか?たぶんここで綴ったことも一理あるなぁなんて思えるかもしれませんよ(笑)
長文読んでくれてありがとう。
次はもう1つのギャップの解析です。
参考文献
※定理とは?
学習自由区「定理」より
http://plaza.rakuten.co.jp/gakushujiyuku/9011
※キャスタートレールとは?
ヤマハ キャスタートレールより
http://www2.yamaha-motor.jp/bike-word/word.asp?id=76


360度回転の解析

time02.jpg
 本日は練習で撮影してきたVTRより、360度ターン、すなわち1回転セクションから見た自分の実力を解析したいと思います。まずは、このキャプチャ画像を見てください。現在CBR600RR’07は完全ノーマルです。右は時計周り(右周り)、左は反時計周り(左周り)です。
 ライディングフォーム的には、いつもの自分ですね。昔も今も走る速さは違えどフォームは変わりません、しみじみと(笑)そんなことは置いといて、今回はVTRで回転についてタイム計測を行い、自分の現在の実力を分析してみました。
まずは回転しているキャプチャ画像から、ご覧下さい。
1)反時計周り(左回転)
Start
0001st.jpg
180度
0001mid.jpg
360度
0001go.jpg
2)時計周り(右回転)
Start
0002st.jpg
180度
0002mid.jpg
360度
0002go.jpg
左右の回転をしている動画をコマ送りにして、スタート時と中間地点(180度)と一回転(360度)の時間を計測しました。
1:19.39
1:20.93(1’54)
1:23.00(2’07) 3’61 left
1:29.33
1:30.93(1’60)
1:33.20(2’27)3’87 rigt
解析
その1.左周りより右周りの方が回転に掛かる時間が大きい。
理由はアクセルが右に付いているので右回りはタンクとハンドルに手が挟まれているので、アクセルが制御し難いand開け難い為です。ロスとして左右の差は約0.26秒もあることが分かりました。
その2.回転の旋回時間は前半に比べて後半が0.6秒も遅い。
理由は進入はエンブレを掛けつつも90度以上先まで惰性で侵入スピードを上げてハンドルロックへと進めるが、後半はロックを維持したまま旋回しなければならないので、速度が低下している。
結果
自分は回転に3.6秒~3.8秒程度掛かっていることとなります。
考察
 比較する材料が手元にないのですが、九州の先輩の話では、彼が回転に掛かる時間はローハンドル+15mmアップで約2.8秒掛かっているということです。確実に360度ターンで1回当たり1秒遅いということになります。
 例えば360度ターン相当 5回、540度ターン相当 3回あるコースでは合計9.5秒相当のタイムロスをしていることなります。これは120秒のコースの約7.9%に相当します。大きなロスですね。
まとめ
 通常AやB級シード選手のSSアップハンドル+切れ角アップのフルスペックマシンで、平均はどの程度で旋回しているのでしょうか?それを調べて、まずは短縮していく方法を検討していきたいと考えています。
 しかしキツイですね。自分でいうのも何ですが、教科書通りの綺麗な旋回をしています。これからの短縮はリスクとのトレードとなりそうです。
 ともあれ、まずは自分の現状認識ができたということだけでも、速く走るための一歩を踏み出せたと思います。この現状でSRS愛知の中部ダンロップ杯二輪ジムカーナRound3を走って結果としたいと思います。
 ぜひ、ノービスのみなさんも自分の実力分析をやって見て下さいね。きっと速く走るキッカケになると思います。ということで本日も就寝。