CALIFORNIA ROADとの思いで

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もともと自分はバイク乗りの前は、自転車乗りで、バイクに乗り始めたきっかけもサイクリングをしている途中、峠の上り坂でハーレーに乗った人たちが、手を振って「がんばれよ!」と応援してくれたとき、こっちは、必死に漕いで上がっている峠を、楽々と上っていく姿を見て、あれだったらもっと遠くにいけるのになぁ、なんて思ったことが始まりだった気がする。28年経ったというのに、今でもあの峠を駆け抜けていく黒い機械の集団は脳裏に焼きついて忘れないなぁ。
記憶をもっと遡らせてみる。そうそう全ての始まりは、実は明確で小学校の頃に通っていた塾の待合室にあった「サイクル野郎」という漫画の影響から始まる。塾の授業の合間の休憩に一生懸命読んでいたのが、少年が自転車で日本一週をするというエピソード。当時はWebもないし、隣町がどうなってるのか?程度の狭い範囲で生きていた小学生にとっては、自転車でどこまでもいけるってこと自体が、とても魅力的な内容だった。
たぶん、サイクル野郎は自分が生まれて少したった70年代の前半にサイクリングの流行の中心となった漫画だけど、自分が読んだ80年代の頃には、既にブームは過ぎ去っていたのではないかなぁと思う。でも今よりは人はいた。国道を100kmも走れば、ツーリングしている人に5~10人に出会うことができたし、昔の流行でできた製品やパーツ、ユースホステルとかのインフラも整えられていて、当時、自転車屋さんに行くとツーリングバックやキャリアが普通に売られていたし、誰でも敷居は低くてサイクリングという趣味をはじめることができたと思う。思い出したサイクリング入門なんて本はごまんとあった。
この恵まれた時代背景の中で、自分の意思で初めて手に入れた自転車はミヤタ製のドロップハンドル車、CALIFORNIA ROAD。中学校に進学したばかりの春、お年玉に不足分を足してもらって買った大切な宝物となった。今、思い出すと、当時は本当にいろんな意味で幸せだった。まず、世の中が平和だったね。単線の駅のベンチを借ります!なんて車掌さんに言えば泊まらせてくれた。13才でもシュラフひとつで都心もローカル駅に泊まれたなんて時代は素晴らしい限りである。今は、モラルのない事件も多くて危険であるし、そもそも待合室に子供を宿泊なんてさせてくれないだろうね。
そんなことを思い出していると、ふと気が付いた。一つ前のブログに綴った、ロードレーサーのカラーリングが、非常に、そのときの相棒、CALIFORNIA ROADに似ている。色はパールホワイトで、ロゴは赤いでカール。うん、雰囲気はそっくりである。もしかして、自分はバイクも、自転車も、10代の実体験を繰りかえしているだけなのであろうかw けっこう人間って、小さいときも、中年になった今も変わらない趣味思考なんですね。
つづく