ディメンションとデータ

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メモの意味について説明する為には何回も書いているけど、下記の説明が必要です。再度まとめます。でも今回はアスキーアートを使用して更に理解力アップです(笑)まずは図の説明
倒立のフロントフォークの場合

│ │

│ │← アウターチューブ

│ │

├─┤─B

│ │↑

│ ││稼動する範囲

│ │↓インナーチューブ

├─┤─A ←ココを基準としてAとBの間の

│○│   距離をメジャーで測ります。

└─┘

↑ホイールを止めているシャフト

そうすると下記のように4つのデータが取得できます。

0G    1G 1G' FS

│ │ │ │ │ │ │ │

│ │ │ │ │ │ │ │

├─┤─│ │ │ │ │ │  ←0G フォークを完全に伸ばした位置

│ │↑├─┤─│ │ │ │  ←1G 自重で縮んだ位置

│ │ │ │↑├─┤─│ │  ←1G'ライダーが乗車して縮んだ位置

│ │ │ │ │ │↑├─┤─ ←FS 走ったときに沈んだ最深位置

├─┤─├─┤─├─┤─├─┤─ ←ココを基準とする。

│○│ │○│ │○│ │○│

└─┘ └─┘ └─┘ └─┘

具体的な測定方法を説明すると
0G
スタンドを掛けてスタンドを軸にハンドルを下から上に持ち上げるとフロントが浮いてきて、今まで沈んだインナー部分が全て見えてきます。フロントタイヤが完全に地面から離れると、サスは伸びきりの状態となります。その伸びきったときの長さを測ります。測る位置は図を参照。ここがサスの伸びきり位置です。測るときは定規やメジャーで測ります。自分の場合は巻金尺の爪をシャフトの貫通穴に引っ掛けて測定しています。一人で測定できるので便利です。
1G
ハンドルを持ってスタンドを外してバイクを立たせたときの状態を言います。自重でサスが短くなります。ハンドルからはサスが縮む方向に力を加えないこと。このときに測った数値を言います。測る位置は0Gで同じです。
1G’
スタンドを外してライダーが跨ってバイク立たせたときの状態を言います。できるだけ通常のポジションに乗って下さい。本来はハンドルを握ってライダーの体重が前後サスに加わる量を適正に分散させたいのですが、一人だと測定できないのであきらめて片手は外して測定します(笑)誰かがいるときは測ってもらうのが良いです。でも作業時は毎回他の人がいるわけではないので自分で測定。ぶっちゃけハンドルからかかる重量による相違は少ないでしょう。いつもに比べてどうなのか?が判断できれば良いので、大切なのは再現性です。本方式でがんばります。
FS
FSはフルストロークの意味。走っているときにどれだけフォークが沈むのかを意味します。計り方の一つはゴムやタイラップをインナーチューブに巻きつけて(グリス等を塗布すると良いでしょう)、走る前にその輪をアウターチューブに寄せておきコースイン。走り終わると、そのときのコースで一番サスが沈み込んだ位置に巻きつけた輪の位置が下がっています。その輪の位置を測ると、最大のストローク量が分かるのです。
というようにして計ったのが
F > 0G:138mm,1G:110mm,1G’:105mm, FS =45mm
F > 0G – 1G = 28mm,1G – 1G’ = 5mm | 1G-FS = 65mm | 1G’-FS = 60mm
この値です。図で言えばこんな感じ。


0G    1G 1G' FS

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│ │ │ │ │ │ │ │

├─┤─│ │ │ │ │ │  ←0G 138mm (0G-FS = △93mm)

│ │↑├─┤─│ │ │ │  ←1G 110mm (0G - 1G = △28mm)

│ │ │ │↑├─┤─│ │  ←1G'105mm (1G - 1G' = △5mm)

│ │ │ │ │ │↑├─┤─ ←FS 45mm (1G-FS = △65mm)

├─┤─├─┤─├─┤─├─┤─

│○│ │○│ │○│ │○│

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いわゆる、このサスはフルストロークで93mmも動くことになります。実際の走行では1G-FSが動作の基準となるので65mmも動いていることになります。というように数値を読みます。リアサスもしかり。
あとディメンションとして自分のマシンを知っておかなければ(抑えなければ)いけないのが、フロントフォークの突き出し量とリアの車高調整による全長の変化、また変わるのはタイヤの銘柄やプロファイルによる姿勢の変化です。ここまで数値を知っておけば、後はその数値の変化がどのような挙動になるのかを紐解けばよい分けです。ということで、次回の練習では後者の採っていない寸法(フォークの突き出し量とリアの車高調整、地上高さ)を調べることにしましょう。
と・・・ブログを読むときの基礎ができたということで、次回のブログの記事は元に戻って、練習で設定を変えたときにどのような挙動としてライダーは感じて、どの位置に調整をしたのかをお送りします。いわゆる①フロントサスペンションのセッティングと②回転と極小旋回の練習を通して実践をお送りします。