勝者とは?

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 短いようで長いレース活動の中で、今でも覚えている、とある先輩の言葉がある。まだダートトラックレースの一年目。右も左も分からなかった駆け出しの頃かなぁ・・・、勝てないレースが何戦か続いていたとき。負けて悔しい思いをしていると・・・
 写真は話とは関係なくて、中部ダンロップオートバイジムカーナ大会Round3’2008のレース風景。この写真だけみると、ジムカーナって良い感じてカッコイイって感じだね(笑)みんなもこの人達みたいに行こうね。
 「(ダートトラック)レースってのは、エントリーして出走した時点で勝者なんだよ。レースに出る為にはマシンを買って、練習を積んで、レースにでる。その敷居は高い。少なくとも今ココにいるみんなは、すでにその一番高いハードルを越えているんだからね。」エントリーは勝者しかできないんだよという話。
 そのときは、なるほど。なんて思っていたけど、今頃改めてそのセリフを思い出すとうるるとくる時もある。
 確かにダートトラックって専用のマシンも売ってないし、実はそのライディングは特殊でカウンターとパワースライドという基本ですら難しくて、コースにでることもかなり難儀する。一番最初に200mトラックにでるときの怖さは想像を絶する。何しろフロントブレーキが無い・・・し。
 そのセリフを聞いてなるほどなって思った。レースって日本では参戦すること自体が大変だし、敷居も高いし。自分のようなノービスで勝てないようなヘナチョコライダーでさえ勝者なんだと素直に勇気付けられたものです。
 今は二輪ジムカーナに参戦しているのだけれど、諸先輩方々が二輪ジムカーナは普段使いのバイクで、ツナギもなくても、キャッチタンクやワイヤリングさえしないで良いというレギュレーションを作ってくれて、誰もがレースに参加できるように、がんばって敷居を低くしてくれて、今でもその低さを維持しようとがんばっている。
 えっ?じゃぁ二輪ジムカーナは敷居が低いから出ている人は勝者じゃないって?いやいや、二輪ジムカーナに出ている人は、みんな勝者だと思うよ。たとえば自分のような家庭と子持ちで普通のサラリーマンな人が、マシン買って時間を費やして練習してレースにでるって結構なモチベーションが必要だもの。
 独身の人は家庭をもって見ると分かるし、マイホームパパならばその意味も分かるに違いない。他のいろいろな境遇の人も、それなりに努力しないと走り続けられないと思う。
 本当はそこで満足ができれば良いんだよねぇ。でも人間って、なぜか先を目指したがっちゃうんだよねぇ。速く走るなんて、生きる上ではどーでも良いことなんだけど、なぜかこだわっちゃうんだよなぁ。うーん。まだまだ精進が足りませんな。なんていうんですかね、足るを知るって難しいことなんですよねぇ。
オフシーズンになった訳だけど、来る2009年はどんな風に、どこまでやろうか考え中。そう考え中なのである。パーツとタイヤとお財布が、頭の中を駆け巡る。自分みたいな速く走りたい症候群の人には、やはりケジメが必要かもしれません。
No Race No Life(レースのない人生なんて)、そしてSlow Race(スロー・レース)。