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リノベーションの道【11】断熱と遮音の構造

今回施工した構造の備忘録

我が家は90年代のマンション定番のGL工法となっていました。開けて分かったのですが、コンクリートにウレタン断熱塗装がありました。Web情報を見るとローコスト前提のマンションは施工がない場合もあるようでコンクリート剥き出しも多く見られるようです。今回はGL工法をやめて断熱フォームによる構造にしました。

元のウレタン塗装
ネオマフォーム施工後

断熱構造 50mm

  • 1層目 コンクリートの厚みは不明 10cmはあるかな
  • 2層目 10mm程度、発砲ウレタンは元々のものをそのまま利用
  • 3層目 ネオマボード と壁の間には空気層を12.5mm
  • 4層目 木枠を組んで、ネオマボード 25mmを可能な限りぴったりと埋める
  • 5層目 石膏ボード12.5mm
  • 6層目 クロス

ウレタン塗装とは

発泡ウレタンとは、ウレタン樹脂にガスを加えて発泡させた断熱材のことです。断熱材のほかに、防音材としても利用することがあり、広く一般的に使用されている断熱材の一種です。内部に無数の小さな粒状の空気やガスを封じ込めることで断熱しています。

https://gaihekitosou-hotline.com/urethane-dannnetsuzai

発砲構造は構造的に痩せるらしいですね。痩せると性能が低下するらしいです。30年経過した我が家をみると確かにやれている気もしますが、ポロポロと剥がれるわけではないので大丈夫そうと判断。

ネオマフォーム とは

旭化成の断熱材ネオマフォームはトップクラスの0.020W/(m・K)で、他の断熱材と比較しても、圧倒的な断熱性能を誇ります。

https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/neoma/about/index.html

そして現在主流の材料は経年劣化が少ないとのこと、これには乞うご期待です。

断熱の効果

しっかりと効果がでました。真冬に夜、暖房を止めて朝起きても寒くない20℃をキープしています。

詳しくは「リビングの温湿度を観測」を参照

遮音の効果

しっかりと効果がでました。高速道路の横のマンションですが、音が聞こえません。雨音さえも聞こえない静かな家となりました。

詳しくは「雨の音が聞こえない我が家」を参照

まとめ

断熱と遮音効果あり

リフォームをする時に調べても、部材それぞれの評価データは仕様書を探せばありましたが、今回の構造をとった場合に期待の効果があると書いている記事はWebにほとんどありません。本当に効果があるのが心配でした。でも取り越し苦労だったようです。現在、多くのマンションが採用している構造は、それなりに効果がありました。私が書いた記事にもあるようですが、ここまで性能が上がれば満足でしょう。

窓の処理も忘れずに

但し我が家は従来のサッシに加えて、樹脂枠の内窓で複層ガラス併用した効果、おそらく両方の効果だと思われます。そして写真にもあるように、壁一面に造作で棚を作ってあり、実際の生活では全て埋まっています。ただの荷物ですが、構造的には空気層ができて、更に効果があるのではないかと思います。

壁が厚くなっても狭さは感じない

最後に施工店によっては壁が50mmも狭くなりますのでお勧めしませんとか、マンションだからそこまでする必要ないとか言われましたが、やってみとわかりました、狭さは感じません。おそらく後付けの内窓や断熱構造の場合でしょう。リノベーションは空間を広く作れるので、壁の厚みによる圧迫感は全然ありません。

参考


雨の音が聞こえない我が家

リフォームをした時に決めていたことは、内窓を入れること。数ある入れた理由の一つは騒音の削減。我が家は話したと思うけれど、名古屋高速の近くに建っていて西の窓から覗くと高速道路が見えます。騒音も大きくて自動車の走る音が結構聞こえます。でも気にしないで普通に寝れていたので人間って環境適応能力があるんだなぁなんて感心するほどでした。

計画は遡り当時2011年に始まる。要約すると

内窓設置検討の巻 1

引っ越してうるさすぎるので、音量計を購入して測ると騒音レベルは静かなときが36dBに対して、うるさいときは46dB程度であることが分かりました。暮らすのには困るほどではないけれど、まーまーうるさいです。

内窓設置検討の巻 2 内窓設置検討の巻 3

さて音の質もスペクトルアナライザーで調べて見たら、我が家の騒音は100~1kHzが一番大きいと判明。音には質があるんですね。また私が求めている静かさは、あと10dB程度の減衰と判断できました。

内窓設置検討の巻 4

さて複層ガラスの入れ替えだけでなく複合的な対策だと10dBはたやすいのではないかと仮説。でもコンクリートの壁、GL工法でできた石膏ボードとの空間、いろいろと音が入り込む経路は未知数。結論やってみるしかないと思う。

結果、そのまま時は過ぎて2020年。

昨年リフォームをする時に実践して見ました。8年経つと音量計はAppleWatchにも搭載されている時代に突入。機材は捨てちゃって持ってないけど、簡単に効果を定量的に見ること気ができました。

自分の呟きより抜粋

測ってみると。新居3週間♪( ´θ`)後に 体感したことそれは防音!我が家は名古屋高速が窓から見える立地でまーまーな騒音。今は聞こえない!断熱材と複層ガラスの内窓は暖かさだけでなく防音効果があり!車が走ってる事が分からない!計測すると約10dBすなわち1/3、静かさも設計次第という結論。嬉しい

狙い通りです。2011年の時にはかった46dBに対して、測定が36dBと-10dBですよ。素晴らしい限りです。耳を澄ませば外の音が聞こえるくらい。

今回の防音対策とは

  • 今までのサッシ窓はそのまま使用
  • 内窓は窓枠は樹脂タイプLow-E複層ガラスを入れる
  • 室内空間が減るけどサッシと内窓には空気層をちゃんと入れる
  • 壁と石膏ボード間は、木枠で空気層を介して断熱材を搭隙間なく入れる

こうすることで-10dBを実現。おそらく内窓の性能と合わせて壁に断熱材を入れて音の通り道をカットという教科書的な方法だけど、それがセオリー通の効果を生んだと思われます。

デメリットは静か過ぎて世界が繋がっていない感じ

ちょっとやり過ぎたかもしれないです。雨の音や風の音が聞こえないんです。車の騒音って嫌だなぁと思うけれど、雨音など自然の音って大切だったんだと気がついたんですよ。

しとしととかザーザーって音って大切だな。今日は雨だから走れないなぁなんて思う瞬間に、窓を覗いて路面を確認して、黒く雨に染められたアスファルトを見る時、雨の音がしないって、何か足りないものがある。生活のシーンって音と色の二つが揃っているって大切なんだとわかりました。

ないものねだりですが、高速道路の反対川には音の通り道を作っておけば良かったかもしれないです。ほら、車のエンジンルームから座席には音の通り道を作ってエンジン音をわざと運転席に漏らすことでドライビングの臨場感を出すあの演出です。おそらく昔の木造住宅って雨音が室内に入り込む、これって音のチューニングなのかもしれないですね。

今回使用したのはインプラス/LIXIL

今ある窓に“プラス”するだけ。
インプラスであっという間の快適生活。

https://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/