二輪ジムカーナのSBクラスに思うこと(2)

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 この写真はレース会場でのひとコマ。ロードも二輪ジムカーナもダートトラックも、トランポに腰掛けてコンセントレーションを高める、そう集中する時間がありますよね。レース人生を振り返ると、実は勝った瞬間も貴重な時間ですが、こうして自分を見詰める時間が輝いていたと思うのですよ。私も、実はカメラマンのH.S.Y.氏に撮って頂いた、レース前の写真を今でも家に飾ってあります。そうそう写真の彼は私の親友SHUです。そして今日は彼の戦っているステージ、SBクラスについてのお話、後編です。
  先日の2009年二輪ジムカーナレースの開幕戦では、詳細は未定だけど、概ねの方向性としては車重200kg未満のSS車輌は、SB章典のクラス対象外にしたいという発表があったと聞きました。私の場合、もともと600ccの車両に乗っているので今回のレギュレーション変更に関して悩むことも必要なく、そうなんですか?と一言で終わらせることもできるのですが、二輪ジムカーナが好きで応援しているファンとしては、いろいろと考えることもあるのですよ。感慨深しというやつです。I Love two-wheel Gymkhanaの視点から、思いを巡らして見たいと思います。
 そもそもSBクラスって何の為にあるのであろうか?その設定された理由をイメージしてみると、何度考えても二つのパターンに到達する。
 大きな重いバイクで走る技術に対しての敬意を払うとこと。いわゆる二輪ジムカーナは「タイム」だけではなく「技量」という評価基準を大切にしたいという気持ちの現れであるという考え方。
 もう一つは純粋に物理的に困難な重くて大きな車両においても、最上級シードになる為の道筋=システム=ハンデという考え方である。
 もし後者の「ハンデ」という考え方に意図するものであるならば、SB基準から軽いバイクを排除するというのは、規定の正しい変更、現状に合わせたルールの改定であると思う。なぜならば、やはり近い将来SSはもっと軽量化と小型化が促進されて、通常クラスの入賞圏内に必ずや到達するであろう思うからである。希望も含めて。
 でも、前者の「技量」という位置づけであったならば、今回の変更は如何なものであろうか?今回、討議の象徴となっている700cc以上でも実はひと昔前の600ccよりも軽いSS(スーパースポーツ)のカウルレス、アップハンドルのジムカーナレース用に作製された改造車両達。このマシンを扱う技術と技量は本当にSBとしての資格はないのであろうか?いや、あると思う。
 私自身、それらマシン達を駆ってレースで戦ったことはないので、全ては想像と聞いた話からの推測となってしまうが、軽くてパワーがあるバイクは、パワー出力の過渡特性を調教することができれば、軽くて乗りやすいだけの車両であるとも言えなくはないが…、彼らのマシンがいくら軽くても百数十psを超えるようなハイパワーな車両を扱うには、それなりのマシンメイクの力と技量が必要であると考えるからである。
 私はもし、前者の二輪ジムカーナは「タイム」だけではなく「技量」という評価基準を大切にするという考えに基づいている競技であるならば、ハイパワー者を扱うことのできる最上級者として私はSBに現在のSSを残したいと考えている。
 また最後に競技を繁栄させるという視点から一言申しますと、何よりも大切なのは、みんなが乗りたいと思うバイクが勝てるようにすること、またレースとツーリングや散歩の沿線上でできるスポーツとしての敷居の低さを大切にするべき、そして最後に、お金を掛けなくても楽しめる競技にした方が良いということ。この三点の思想は昔から二輪ジムカーナの根底として先輩達から後輩へと語り継がれてきたのですが、かなり重要なことだと思います。
 もっと具体的に言うなれば、「重さ」と「大きさ」というハンデを乗り越えるためには、「技量」という努力も必要ながら、実は大きな「お金」が必要なのは事実だと思います。見て下さい、SSでないSBバイクは、その重量というハンデをカバーするために、豪華なサス、豪華なスイングアーム、豪華なブレーキ。勝つ為にはかなりの出費をします。でも、SSバイクはもともとがレースユースのベースとなり得る車両の為に基本がしっかりできているために、実はSSでないSBバイクより安価に戦えているのではないだろうか?
 長く二輪ジムカーナを遊ぶためには、競技者の負担、すなわちお金を掛けずしても最上級になれる仕組みが必要であると思います。その為にはSBからSSは外してはいけないのではないかと思う。
 私の結論ですが、前者の技量と後者のハンデという視点から見ても、やはりSSはSBなりと思うのです。如何でしょうか?青春の全てを二輪ジムカーナで費やした皆様。もっともっと楽しい競技にする為に、みんなで話し合っていきしょう。
p.s.
昔はそんな話をオールナイトで語り合ったものです。懐かしい思い出ですね。